～めんどくさいことが作るもの

□授業前のちょっとお話シリーズ～めんどくさいことが幸せを作る

口がすっぱくなるぐらいに言ってきたのに、意味が曖昧な言葉を辞書で確認してこない、
調べれば済む簡単な語句の知識の問題を空欄のままにしてある･･･
そんなことが続いたときにこんな話をしました。

みんなは、幸せになりたいと思うか？
じゃ、幸せになるってどんなことだと思う？
お金持ちになること？
先生も、お金はいっぱいあるといいと思う。
でも、お金は大切なものの中で１番にはならへんよ。
絶対に２番までしかいかないと思う。

例えばね、お金がなかったら100円のおにぎり。
お金がいっぱいあったら、３万円の高級フランス料理が食べられるとする。
確かにこの２つを比べたら高級フランス料理を食べた人が幸せな気分になる。
でも、一番幸せな人は誰かって言ったら、私はこう思う。

「うわぁ～、幸せ～♪」って料理を食べている人を見ているシェフが
食べた人よりもずっと幸せな気持ちでいると思う。
何年も何年も１から修行して、人よりも厳しく料理を勉強して、
人よりもおいしい料理を作れるようになって、それが評判になって、
自分が作った料理に高い評価が集まって、高いお金を支払っても食べていいって
思ってくれる人がお店に来てくれて、そして、自分の料理を特別な日に食べてくれて
「おいしい！」「最高！」って言ってくれた。
食べた人は食べている１時間ぐらいとその日の夜、幸せな気持ちになるかもしれないけど、
シェフは何年間もかけて自分の技を磨いてきて、それが人の幸せな笑顔を作っている。
自分が作るものが人を幸せにできるっていうことはすごく幸せだと思う。

何年も何年も厳しい修行を積んだシェフだから作れる笑顔。幸せ。
イチローとかヒデとか、一流のスポーツ選手もそう。
何年も何年も、練習をバカにしないで全力でトレーニングして、
自分をあえて厳しい環境において、鍛えまくって、
そうやって人が拍手をするようなプレーができるようになって、
それを見てすごい！ってみんなが認める。

誰が見ても、すごい！って言うこととか、幸せな気分になることって
必ず、絶対にその前にめんどくさいことがあるはず。

君達の家でも、おいしい夕食がテーブルに待っている。
それはなんで？魔法か？ちがうよね。
お母さんが買い物に行って、包丁で刻んで、料理してくれて、よそってくれる。
そういうめんどくさいことをしてくれて、おいしい料理が並んでいる。
それを食べてみんなは、味もおいしいし、体もパワーがわいてくる。
何年間も「母親」ということを毎日し続けてきたお母さんだからこそ、
作れる幸せを君らは毎日受け取っている。

君らが汚した服が、どうしてきれいになってるのか考えてごらん？
君らが塾に来れている、お月謝を払っているお金、
それはお父さん、お母さんが毎日毎日働いてくれているその時間が作ったお金でしょう？

めんどうやな～。じゃまくさいな～。しんどいな～。
と思って、やめる人には、幸せは作れないと思うよ。
人がめんどくさいって思うようなことをきっちりとした人が、その分、成長するの。

毎日、自分のためだけに時間を作れるのは子どもの間だけだよ。
社会に出れば、だれか世の中のために仕事をするし、家族のためにもがんばらないとね。
そのとき、がんばり方を知らなかったら、君らの家族、めちゃめちゃになるかも。
しっかりがんばり方を今のうちから勉強しておこう。
「めんどくさい」に負けない自分になっておくことって、
未来の自分がなりたいものになれる確率を上げることだよ。

ね、辞書引くことすらめんどくさいって逃げること、どう思う？
恥ずかしくないか？
辞書引くことすらできない人が、自分の行きたい中学に合格する確率あると思う？
もし、君らが憧れている中学の先生だったら、そういう子に合格して欲しいと思う？
一生懸命やってても、辞書引くことが難しいっていうのなら別。
ちがうでしょ？
自分のできること、精一杯やる。
それは、だれのためでもなく、未来の自分の幸せにつながるし、
自分の大切な誰かも幸せにできることになるよ。

めんどくさいなって思ったら、それは実は「幸せのかけら」「合格へのチャンス」だと思ってごらん。
めんどくさい～って逃がしたら、もったいないよ。

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